体臭対策:体臭、大丈夫?

体臭に酢が効く

水虫を患っているひとが,洗面器にお湯を張り,そこに酢を入れて足浴している場面を見たことがある.

この「酢」だが,体臭を抑える効果もあるようなのだ.

水虫の菌もそうだが,一般的に細菌というのはアルカリ性を好み,酸性が苦手なのだそうだ.

そのため,酢を混ぜたお湯で足浴をすると,水虫の症状が快方に向かったり,足のにおいを減少させる効果があるのだ.

どの程度の酢を混ぜるとよいのかというと,洗面器いっぱいのお湯に対して,食酢ならキャップに1杯ほどが適量だ.

また,炭焼きのときに採取できる木酢液というものが市販されているのを見たことがある人もいるだろう.

こちらの場合は酸性が強いので,洗面器いっぱいのお湯に対して数滴混ぜれば十分だ.

足のにおいに限らず,体臭についても酢は効果を発揮する.

お風呂に入るとき,入浴の直前に酢を浴槽のお湯に混ぜるのだ.

混ぜる量はコップに半分弱程度,ほんの少しの量なので,浴槽が酢のにおいで充満することはない.

かえってさわやかな香りに感じることと思う.

こうして湯船につかると,酢に含まれるクエン酸の効果により肌を弱酸性に保つため,雑菌の繁殖が抑えられ,体臭を防ぐことができる.

また,開いた毛穴からクエン酸が吸収されると,アンモニア臭い汗を抑えることもできる.

食生活が乱れたり血液の流れが悪くなったりすると,体内にアンモニアが増えて汗がくさくなってしまうので,そんなときにはぜひ「お酢風呂」を試してみてほしい.

ミョウバンの効果

世の中の無臭化傾向が強まるなか,人の体臭に対する商品もいろいろ市販されている.

デオドラントスプレーや石けん,サプリメントや体臭を消すシャツや靴下など・・・ 普段から自分の体臭をさほど気にしていない人でも,夏場の汗をかく時期には制汗スプレーを使ったことがある,という人もいるのではないだろうか.

そんな中,「ミョウバン」が体臭対策として効果があると話題になった.

スーパーの漬物コーナーに売られていた,1袋100円程度のミョウバン,これがまさか体臭に悩む人に買われていくとは・・・

ミョウバンの体臭に対する効果はどのようなものなのだろうか.

よく行われているのは,ミョウバンを水に溶いて「ミョウバン水」を作り,それをコットンに浸して脇や足などにおいそうな部分を拭く,あるいはミョウバン水をスプレーする,という方法だ.

ミョウバンは,水に溶けると酸性になる性質があるそうだ.

そのため,ミョウバン水を皮膚に吹き付けることで皮膚表面が酸性となり,皮膚表面の雑菌の繁殖を抑えられるというのだ.

雑菌の繁殖を抑えられれば,汗が分解されてにおいを発することも予防できるのだ.

また,汗臭さというのはアンモニア成分がかかわっているのだが,アンモニアはアルカリ性のにおい成分であるため,ミョウバン水の酸性と中和し,汗臭さを抑えるのにも高い効果があるそうだ.

ミョウバンは,生活に密着した身近で手軽なデオドラント剤といったところだろうか.

重曹の効果

一時期,家事(おもに掃除の場面で)に重曹を取り入れることが話題になり,たくさんの重曹活用術についての本なども販売されたときがありました.

「重曹パワー」が,キッチンをぴかぴかに磨いたり,生ごみのにおいを消したり,衣服のシミ抜きに有効だったりと大変役に立つと,スーパーや薬局でも袋入りの重曹が目立つところに並べられていたものだ.

キッチンでのにおい消しに有効であれば,体臭対策にも効くのでは?と考えるのが自然だよね.

重曹にはアルカリ性の性質があるため,生ごみや冷蔵庫に発生する酸性のにおいに重曹を混じり合わせることで中和反応し,無臭化されるのだ.

体臭についても同じで,からだの表面から分泌されるニオイの成分には,酢酸など酸性の傾向を示すものが多いので,重曹との中和反応で,においが消されることが期待できる.

このように,酸性のにおいには有効であると考えられる.

また,重曹には殺菌作用もある.

普通,皮膚の表面にいる雑菌は酸性に弱いため,酢水で足浴したりスプレーすると雑菌の繁殖を抑えられるのだが,逆にアルカリ度が強くても雑菌は繁殖しにくいのだ.

使い方は,重曹を水にとかして体臭の気になる部分に塗布したり,脇であれば直接重曹の粉をはたいてもよいかと思う.

重曹はパンやお菓子の膨らし粉としても使われるものだから,体臭を抑えるために使っても,十分安全と考えていいろう.

重曹の殺菌効果や漂白作用によって,色白美肌になれる・・・かもしれないよ.

体臭予防と入浴

体臭を予防するには,まず清潔を保つことが大切だ.

体調が悪くてお風呂に入れない場合はともかくとして,入浴を面倒がってお風呂に何日も入らずにいると,体中からいやなにおいがしてくるのは当然だ.

病気やけがのために入浴できないときでも,お湯に浸したタオルなどでからだを拭くといいね.

さっぱりとするだけでなく,血行もよくなる.

そのとき使うタオルに,ハーブやレモンの香りをつけておくのも,体臭を予防するのに効果がある.

タオルを浸すお湯は,熱めのものを洗面器に用意し,そこにハーブの精油やレモン汁を数滴たらすといい.

ハーブやレモンの抗菌効果や消臭効果で,からだがさっぱりとし,香りの効果で気分もリフレッシュできることだろう.

また,入浴できる場合には,湯船に酢をコップに半分弱ほど混ぜるのも,体臭予防に効果がある.

酢は肌を弱酸性に保ち,雑菌の繁殖を抑えてくれる.

ヒノキを使ったお風呂もよい香りがする.

家庭の浴槽がヒノキ風呂だというところはあまりないと思うが,家庭ではヒノキのチップやおが屑をガーゼなどに包んで浴槽に入れれば,温泉のようなかおりと気分が味わえます.

特におが屑は,湯船に浮いたからだの垢を取り込む効果もあるようだ.

ほかにクマザサも脱臭効果がある.

菖蒲湯と同じように,湯船に葉を浮かべて入浴する.

クマザサは乾燥させて使っても効果があるので,まとめて摘んできて干しておくとよいかと思う.

体臭に悩む人もそうでない人も,入浴はからだと心をリフレッシュするための大切な時間なので,少しの工夫でゆったりといい気分で入りたいものだね.

梅干しの効果

みなさんは梅干しは好きだか? 「梅干し」と聞いただけで,ほっぺたの辺りがじわーっとして,唾液が出てくることがないか.

これこそが,口臭の予防になる梅干しのパワーなのだ.

口のにおいは,気になる体臭の中でも上位をしめる部位で,他人とコミュニケーションをする際にもっとも気付きやすいにおいだ.

その口臭に梅干しが効果を発揮する.

梅干しが誘発する唾液だが,この唾液により口の中の細菌や食べ物のカスが流され,口臭が抑えられているのだ.

逆に,朝,目覚めたときや空腹時,緊張時に口がにおうのは,唾液の分泌が減っているからだともいえる.

梅干しには強い殺菌作用と,菌の増殖を抑える効果がある.

梅干し自身の殺菌力と,梅干しによって呼び出された唾液の働きで,口の中の雑菌の働きが抑えられる.

唾液によって流された雑菌は,胃に到達すれば強い胃酸で死んでしまう.

また梅干しに含まれるクエン酸は,口臭予防だけでなく体臭にも効果がある.

何となくからだが不調だ,というときに,湯飲みに梅干しとしょうゆ数滴を入れ,熱い番茶を注いだものを飲むとよい,という話を聞いたことがないか? おばあちゃんの知恵袋的なお話だが,これが実に効果がある.

特に朝,これを飲むとからだが温まり,食欲も出てくるし,朝からしっかりと食べることは,口臭予防にもつながる.

万病の薬として扱われてきた梅干しを,積極的に生活に取り入れたいだね.

ただし,塩分の摂り過ぎには気をつけてほしいね.

活性酸素と抗酸化作用

現代の日本では,さまざまな生活習慣病に悩む人が増えている.

この生活習慣病に深くかかわっているものに,私たちのからだの中の「活性酸素」がある.

活性酸素は,不規則な生活やストレス,アルコール摂取,喫煙,脂質の多い食事,紫外線などにより,過剰に発生する.

この活性酸素が過剰に発生すると,私たちのからだを酸化させてしまう.

体臭もこの酸化現象のひとつで,汗が酸化してにおいが発生するのだ.

この活性酸素の過剰な働きを抑えるのが抗酸化作用で,もともと人間が持っている力だ.

しかし,年齢を重ねるにつれてこの力が衰えてしまい,体臭が強くなるなどの症状も出てきてしまう.

また,酸化されやすい食べ物を摂ることも体臭を引き起こす原因のひとつと考えられる.

逆に,抗酸化作用のなる食べ物を摂ることで,体臭を少なくすることもできる.

抗酸化作用のある食べ物はポリフェノール,ビタミンC,ビタミンE,ベータカロチンなどを含む食品だ.

少し前に「ポリフェノールがからだにいい」といった赤ワインのテレビCMもありましたね.

ビタミンCを含む食品もいろいろあるが,身近なところでピーマンやパセリ,ブロッコリー,緑茶にも含まれている.

緑茶のカテキンは口臭予防にも効果的だ.

あとは,ビタミンEを摂るために,未精白の穀物を食べたり,カロチン豊富な緑黄色野菜も積極的に摂るといいろう.

体臭を予防するためには,まず食生活を改善することだ.

人間が発生させるにおい物質の原料は,すべて食事として摂取した食べ物だから.

足のにおい対策

体臭の中でも自分でにおいに気付きやすいのが足のにおいではないだろうか.

たとえば外回りで働く営業マンや,ブーツを長い時間履いていた女性の方,靴を脱いだときにムワッとしたにおいにおそわれたことはないか.

足のにおいの出どころは,汗と角質と靴にある.

まず汗だが,足のうらには汗の穴が集まっているため,よく汗をかきます.

暑いときばかりでなく,緊張したときやドキッとしたときなど,手のひらに汗をかきますよね.

それと同じように,足のうらにも汗をたくさんかいているのだ.

しかし,この汗,かいたばかりのときは,ほとんどにおいない.

足についている雑菌が,この汗や,皮膚が古くなった角質,皮脂などを分解して,あのにおいを発生させるのだ.

靴を履いた足というのは,温かくじめじめしていて,雑菌が繁殖するにはもってこいの場所なんだね.

足のにおいを抑えるには,まず足を清潔に保ち,余計な角質や皮脂,汗を残さないことだ.

お風呂で足を洗うときは,指の間までしっかり洗おう.

その後は湿気を残さないよう,きちんと拭いて乾かしてほしい.

汗をかいたときも同様に,できることなら靴下を脱いで足を乾かすといい.

靴下はなるべく通気性のよい綿などの自然素材がいいろう.

ストッキングなどの化学繊維は汗を吸い取りにくいのだ.

靴のお手入れについては,帰宅して脱いだ靴をすぐげた箱にしまわないことだ.

汗や湿気が充満した靴をそのままげた箱にしまうと,2〜3時間ほどで雑菌が繁殖してにおいを発生させます.

靴を脱いだら,風通しのよいところで数時間干してからしまうといいろう.

しかし,仕事中でそんなお手入れをしている時間もないという場合は,サッと使える消臭スプレーやパウダーなどもある.

体臭対策に制汗剤などを使う人も多いと思うが,足専用の対策商品もいろいろ市販されている.

その場のいやなにおいが抑えられるので,便利だ.

でも帰宅後の足と靴のお手入れは,忘れないでほしいね.

体臭を抑える補助食品

最近,とくにインターネット通販などで「体臭を消すサプリ」などの,体臭対策食品がよく見かけられる.

カプセルに消臭成分を閉じ込めたものや,液体を飲むタイプのもの,ガムや錠剤でお菓子のように食べられるものなどさまざまだ.

その多くに植物からの抽出物が成分として含まれている.

だいたい商品の説明文に「この商品は○○のにおいに効果がある」など書かれているが,含まれているどの成分がどんなにおいに効果を発揮するのかを知っておくとよいと思う.

ポリフェノールは,赤ワインなどにも含まれているが,お茶から抽出されることが多く,広い範囲での消臭効果が期待できる.

また,他の成分との相互作用により,消臭時間が長く持続する.

ガムによく含まれるカテキンやフラボノイドは,消臭効果はもちろんのこと抗菌作用もあるため,総合的に体臭を抑えてくれる.

海藻からは,吸臭力のある成分が抽出でき,特にアンモニア臭をかなり吸収してくれるようだ.

マッシュルームのエキスはにおいを吸収中和する作用があり,にんにく臭などを消臭させる効果がある.

また,スパイスの種から採れる精油を組み合わせたものは,腸の異常発酵を防ぎ,便のにおいを抑える効果がある.

パセリやにんじんの葉などの野菜や,ひのきなどの木からも消臭成分が抽出されている.

これらの補助食品は,「食品」とうたわれている以上,安全であるわけだが,あくまでも補助食品なので,これらを上手に使いながら,体臭を改善するためには,基本的な食生活から変えていくことも大切だ.

アルコールと体臭

たとえば朝の職場で「おはようございます」と出勤してきた同僚がプーンとお酒臭い体臭をただよわせていたら,ちょっと気分が悪くなるよね.

付き合いで飲み会があったのか,はたまたストレス発散のやけ酒だったのかはわからないが,お酒をたくさん飲んだ後というのは,体臭によって周囲にすぐ気付かれてしまうものなのだ.

お酒を飲むと体臭がきつくなるというのは本当だろうか? たしかに,お酒のおつまみとして食べたものが,焼肉であったりにんにく料理であった場合にはそのにおいも強烈にすると思う.

しかしお酒のアルコールは,それ自体が強いにおい成分なのだ.

アルコールは,代謝されるとアセトアルデヒドや酢酸といったさらに強烈なニオイ物質に変わる.

これらの物質はほとんどは尿から排泄されるが,一部は汗として排出されたり呼気からも排出されるため,あの特有な二日酔いの体臭をつくるのだ.

また,お酒を飲むとからだがぽかぽかしてくるよね.

これは,アルコールには血管を広げたり,体温を高めたり,汗腺の活動を活発にする作用があるためだ.

それによって,発汗量も急激に増加する.

アルコールはそれだけでもにおいが強いのに,加えて発汗を招き,代謝されてさらに強いにおい物質となり,それが汗からも放出されて・・・ と,まるで「においの素」を飲んでいるようなものなのだ.

しかし,適量のお酒はからだによいといわれるように,少量のアルコール摂取であれば,からだの活性酸素を減らす働きもあるようだ.

なんでも「ほどほどに」,がいいのだね.

毎日の生活の中での体臭対策

自分や他人の体臭が気になる場面というのは,仕事の営業先であったり,友人と会うランチタイムであったり,通学電車の中であったり,人それぞれだ.

しかし,どの人でも毎日の生活習慣を見直すことで,体臭は改善されていくものだ.

以下のようなことに気をつけて,毎日を過ごしてみてほしい.

★いつも清潔にする  毎日お風呂に入ってからだを清潔に保つことはもちろんのこと,常にハンカチやタオルを携帯し,汗をかいたらすぐ拭き取るようにしよう.

 からだを清潔に保つことで,皮膚表面の雑菌の繁殖を防ぎます.

★吸湿性,通気性のよい衣服を着用する  下着や衣類は綿素材の吸湿性のよいものを選び,汗が悪臭に変わる前に発散させてしまおう.

★和食中心の食生活をこころがける  野菜や穀物,魚が食卓に並んでいた昔の日本には,体臭の強い人は少なかったといわれる.

 低脂肪高繊維,植物性の食べ物を積極的に登場させましょう.

★動物性タンパク質や動物性脂肪の摂取量を減らす  肉類やバター,チーズなどの乳製品には,体臭の原因となる動物性タンパク質や脂肪が多く含まれている.

★緑黄色野菜をたっぷり摂取する  野菜に含まれる食物繊維は,腸内のにおい成分をまとめて排出してくれるだけでなく,便秘解消にも役立ちます.

 便秘は体臭や肌荒れにもつながる.

★お酒,タバコ,香辛料を控える  根本的に体質を改善し,健康なからだを作ることは,体臭予防にも役立ちます.

★ストレスを上手に発散させる  精神的ストレスは,からだの生理機能低下を起こしたり皮脂の分泌を促すなどして体臭や多汗の原因となる.

★体臭の原因となる疾患がある場合は治療しよう  肥満や肝障害,腎障害,糖尿病などがあると,血液中ににおい物質が増えてしまう.

生活習慣を見直し,体臭を気にせず健康的な毎日を送ってほしい.